--- title: remark-mathでMarkdownに数式機能(TeX)を追加 description: ブログにTeXで数式を書けるようにしました。オプションについても少し触れます。 thumbnail: https://moris.day/files/img/TeX_logo.svg emoji: date: 2024-12-22 category: Tech tags: [Markdown, unified, TeX] index: true published: true --- このブログはMarkdownで記述されている、いわゆるJAMstackなサイトで、パーサーにはunified(remark)を採用しています。unifiedは標準で主要なMarkdown文法に対応しておりブログに使うには十分です。 しかし、このブログは技術ブログ、となると数式は必須なのですが、Texを$で囲う記法を試したところ、どうやら対応してないようでそのまま表示されてしまいました。 ## remark-math remark-mathというunifiedプラグインを使用してTeX記法での数式に対応しました。 https://github.com/remarkjs/remark-math この辺りは詳しくないのですが、ブラウザで数式を表示するエンジンとしてMathJaxとKaTeXが主に使われているようで、remark-mathはその2つに対応しています。 KaTeXの方が軽量らしいのでそちらを採用することに(サーバーサイドレンダリングには無関係かも) 使い方は他のプラグイン同様にインストールして`use()`で追加するのですが、2つ追加する必要があります。 一つ目は`remark-math`で、これを適用するとTeX記法の部分がlang=mathのコードブロック(```で囲うやつ)に変換されます。 そして、二つ目の`rehype-katex`(MathJaxの場合はrehype-mathjax)がこれを数式に変換します。 そのため以下のような記法でも数式に変換することができます。 ~~~ ```math e = mc^2 ``` ~~~ サンプルコード ```sh npm install remark remark-rehype rehype-stringify npm install remark-math npm install rehype-katex // KaTeXの場合 npm install rehype-mathjax // MathJaxの場合(コードもいい感じに置き換えてね) ``` ```js import { remark } from 'remark' import remarkmath from 'remark-math' import remarkRehype from 'remark-rehype' import rehypeKatex from 'rehype-katex' import rehypeStringify from 'rehype-stringify' let markdown = "$e=mc^2$" let html = remark() .use(remarkmath) .use(remarkRehype) .use(rehypeKatex) .use(rehypeStringify) .processSync(markdown) console.log(String(html)) ``` Output: ```html
``` 実行するとhtmlが出てくるのですが、そのまま.htmlで保存してブラウザで開くと、ダブってるし片方は数式になっていません。 これだけではダメでKaTeXでは追加のCSSを適用する必要があるのです。(MathJaxではCSSが一緒に出力されるので不要) なので以下のlinkタグを追加して再度開くと ```html ``` ![](https://moris.day/files/img/remark-math-e-mc2.webp) 数式として表示されました✨ ## オプション(MathMLで出力) KaTeXはhtml(+css)とMathMLという形式の出力に対応しています。 MathMLとは簡単にいうとSVGの数式版のようなもので、数式を記述するためのxmlマークアップです。 SVGと同様にwebブラウザで表示が可能ですが最近まではサポートが微妙だったため現時点ではMDNでもNEWLY AVAILABLEとなっています。(https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/MathML) KaTeXではhtmlのみを出力、MathMLのみを出力、htmlを表示してMathMLをアクセシビリティのために不可視で付ける、の3種類が選択可能で3つ目がデフォルトになっています。(ちなみにcssをつけないとダブるのはこのためです。) 自分はcssを付けたくなかったためMathMLにしました。そのため以下のようにオプションを設定しています。 ```js .use(rehypeKatex, {output:'mathml'}) ``` そのほかのオプションはKaTeXのサイトで確認できます。 https://katex.org/docs/options.html このブログのMarkdown周りのコードはここです。 https://git.moris.day/moris/moris-blog/src/branch/main/src/lib/components/Markdown.svelte ## おまけの数式 二次方程式 解の公式 $$ x = \frac{-b\pm \sqrt{b^2-4ac}}{2a} $$ クーロンの法則 $$ F=k_0{q_1q_2 \over r^2} = {1 \over 4\pi\epsilon_0}{q_1q_2 \over r^2} $$